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cetegory : - - --
2016年12月27日(火)  by スポンサードリンク [ Edit ]
食事当番だった(外での仕事がない曜日担当)昨日、夕飯の買い出しに行こうという頃、空が怪しくなってきた。その1時間前にもバラバラと大粒の雨が落ちてきて、ふい、と飽きたように止んでしまったばかりで、夫君の母が窓の外を見ながら、「なんだか怪しいよ」と言っていた。

「こういう時、必ず降られるんだよなぁ、わたし。」

いわゆる「雨女」というのとはちょっと違う。降るかもね、降るかもしれないね、と思いながら手ぶらで出て、かなりの確率でびしょぬれになるタイプなのです(危機管理能力がないだけか)。実家の母なんかは真逆で、ざんざか降っている日の雨の小休止の時にちょうど移動できてラッキー、ということが多い。

ここに越してきてまもなく、まだ道もよくわかっていなかった頃、そんな感じの空を見上げながら図書館に徒歩で出かけた。家からひとりで行くのは初めて。教えてもらった通りの道順といっても、この街は寺町で、橋やら一方通行やら細い路地がうねうねしているので、迷うことも考え、用心して雨具を持って出た。家から数十メートルすすんだところで、案の定ポツポツと振り出し、用意していた傘を開く。そのまま、大きな川を渡る橋まで、まっすぐ進めば良いはずだった。

土手まで出た所で、ポツポツは驟雨に変わった。目の前の川がよく見えないくらいの。右を見ると、大分先に橋がかかっている。左を見ると、まるで相似形のように同じ位の距離で橋がかかっていた。異界に迷い込んでしまったかと、一瞬息を飲む。とりあえず、雨宿りできそうな建物のある左に走り、煙っている目前の風景に、しばらくことばを吸い取られて立っていた。

少しずつ雨の粒が見え始めて、やがて夕日が戻ってきたところで、橋をわたったものの自分がどこにいるのかさっぱりわからない。やみくもに歩いていたら、携帯電話が鳴った。夫君の母だった。

「まりさん、どこにいるの?大丈夫だった?今、私図書館の前にいるんだけども、ここまで車で走って追い越さなかったから、ひょっとして迷ってるんじゃないかと思って。」

雨が降り出してから、おかあさんは慌てて車で私を回収しようと追いかけたらしい。どうやら、右の橋を渡らなければならなかったよう。傘があるものの、下半身ずぶぬれになりながら、よろよろと図書館にたどり着いた私を確認して、おかあさんは仕事の準備へと戻って行ったのだった。

そういうことがあったなぁと、買い物を終えて出入口まで来たら、あの時とほぼ同じような勢いで雨がどしゃどしゃ降っていた。ひょっとして、と、電話を見ると、おかあさんからの着信履歴があった。電話をかける。

「降ってるね。」出るなり、笑いをくつくつと堪えるように言った。
「降ってるね。」
「傘持って迎えにいこか?」
「うーん、様子見て、上がらないなら百均で買って帰るよ。」
「そーね、それがいいかもね。」

売り場に戻り、野菜のコーナーに行く。

レタスが安かったのだが、棚にもう数個しなびたのが残っているだけで、どうしようかな、と品定めしていたら、隣で同じように思案していたおばさんが、

「あんた、そっちよりこっちにしなせ。」

どん、と一玉差し出して来た。

「でもこれ、見かけ大きいけど中身はスカスカじゃない?」
「他のもみんなそうだから、これが一番マシ。」

おばさんは、野菜の神様のように断言する。と、青果の搬入口から店員の兄ちゃんがゴロゴロと野菜の箱を積んで出てきた。たぬきのような丸い体のおばさんはイタチのようにするり、と店員の前に立ちはだかり、

「あんた、これからまたレタス積むんでしょ。」

おばさんの迫力に、イエスと言わなければ身が危ないと感じた店員さんは

「あ、はい」

と、いそいそと返事をした。

「それじゃ、ひと周りしてまたあとで。」
と私に指令を出すと、おばさんは行ってしまった。

わたしは大人しく売り場をひと周りしてレタスを買い、百均で水玉模様の傘を買うと、じゃぶじゃぶ雨の中を帰った。
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2012年09月04日(火) 10:08 by まり [ Edit ]
惚気ます。


入籍してしばらく事情により週末婚状態だったが、同居を始めて(というより、私が家に入って)2ヶ月になろうとする。その間にたまったおかあさん(夫君の)のはなし。

昨日の夜、店から帰る時(彼女はお店を持っている)に道一杯にサラリーマンが5、6人酔いどれ気分で歩いていた。母はその後ろから自転車で「ちょっとすみません」と通して貰おうとしたら、そのうちの一人が「ほらほら、よけて」と牧羊犬よろしく、他のメンバーにうながして母を通そうとしてくれた。それで、母は「ありがとうございます」と通りかけたら、こともあろうにその牧羊サラリーマンが母に向かって「くそババア」と言った。

母はあまりの急転直下にめまいがしたそうだ。「よっぽどその場でバターンと倒れてやろうかと思ったけど、地元の人間じゃなさそうだし、やめといたんだけどさ。」笑いながら帰ってきた母は、「ババアはババアだけど、くそはひどい」と何度か言っていた。

母は、工事に来てくれた人や、大変そうな人に、ちょっとした差し入れをよくする。大概、バナナとかお菓子とかを「ほい、おやつ」と渡す。この間は、神社のお祭り「おとりさま」で寒い中交通整理をしているお巡りさんに通りすがりにホッカイロを投げて渡した。お巡りさんは、不振な顔つきをしていたと、母はくすくす笑いながら報告してくれた。

ところで、新潟市の某ホテルに入っているジュエリーショップと縁があって、そこで結婚指輪を作ったのだが、その際にホテルのキャンペーンに応募するとディナーショーやらおせちやらボトルキープ券やらが当たるという応募用紙を大量に貰った(金額に合わせて応募用紙をくれると思うのだが、お店のおばさんは面倒だったのか豪快に束でくれた)。それで、私と夫君でせっせと家族みんなの名前を代わる代わる書いて応募したのだが、母の名前で応募したもので、ペアのスイート宿泊(ディナー付き)が当たった。すると、母はホテルに電話をして、当選のお知らせが届いたこと、当てて下さったことへの感謝を述べたそうだ。

そんなひとに育てられた兄弟たちもなかなか面白い。
まだ夫君たち兄弟が小さかった頃、みんなでおばあちゃんの家に遊びに行った(市内なのでそう遠くない)。苺のおいしい季節で、おばあちゃんの家で、苺を食べようとお皿に盛り、取り敢えずそこにあった砂糖をかけて子ども達に出したところ、ひと口食べた夫君のお兄さんは、もそもそとこう言った。

「おれ、イチゴはあまい方が好きかな・・・」

お母さんがたっぷりかけたのは塩だった。

ちなみに、夫君は小学生低学年の頃、風邪をこじらせて小児科に行かなくてはならなくなった時に、

「この歳になって親に付き添われて病院に行くなんて」

と嘆き、周囲をのけぞらせたらしい。

(彼はやはり小学生の頃、夏休みの宿題で観察日記用に朝顔を育てた。「植物は話しかけるとよく育つ」と聞いて、毎日話しかけるようにした。新学期が始まって、学校に朝顔を持って行ったら、彼の朝顔だけそれはもうびっくりする程大きくなっていた。)

結婚前に、夫君は「腹が立つことがあっても、寝ると忘れる」と言っていて、はぁ、こういう奇特な人もこの地球には存在するのだなと感心したのだけれど、生活してみると、この母にしてこの子ありなのだな、とよく思う。そして、多分、「この義母にしてこの嫁あり」もあって、最近、わたしは腹を立てることがすっかりなくなって、ふやふや笑っていることが多い。

iPhone 4Sに変えたら、通話が2回に1回成立せず(全く音がしなくて、表示も「接続中」となるのだが、相手にはかかっているので無言電話になってしまう)、auショップ、auのiPhone顧客サポート(ここの対応はひどかった!)、Appleサポートとたらい回しの目にあって、母が「それは換えてもらいなさい!」と先にしびれを切らすくらいなのです。ふやふや。
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2011年09月14日(水) 13:12 by まり [ Edit ]
petite fille en pain de gimgembre 誕生日でもあり。
 ジャンボ過ぎてケーキに乗らなかったジンジャーブレッドガールろうそく。


そのとき、わたしは青いチェックのボーイズサイズのシャツに紺のシガレットデニム、コンバースという格好で助手席に座っていて、彼の白と紺のキャップを被った。

「そうやってると、本物の男に見える」
「どうする、本当に男だったら?」

いつものように静かに妄想していた彼は、しばらくして言った。

「しょうがねぇな。」

その返答が、悩ましげな焦燥感の中にあきれたような、怒ったような、それでいて腹を括ったような、もうお手上げのような、なんだか色々な感情が混ざり合って不思議な響きで放たれたので、おかしくておかしくて、お腹を抱えて笑った。本当の本当に男になったわたしを前にしても、この人はやっぱりこんな調子で「しょうがねぇな」と言うのだろう。


それから約一年経って、偶然またそのキャップをわたしが被った。

「俺より男前だ」

デニムに、彼に借りた穴のあいた古着のTシャツ(それが一番サイズが小さかった)、ヒールのないトングという、やっぱりさっぱり色気のない出で立ちのわたしは、そういえば・・・と一緒にいた彼の母に「しょうがねぇな」の話をして、また笑う。

「いや、もし本当に男だったとしても、もうこのまま付き合ってくしかしょうがねぇなと思って」

という彼の冗談のような本気の覚悟表明に、ははぁ、そういう意味だったからあんな妙音が出たのかと腑に落ちた。


その昔「わたしがオバさんになっても」という曲が流行ったけれど、「わたしがおっさんになっても」という不条理な可能性さえも引き受けてくれようという懐の広い人でよかったなぁ、しかし、うっかりおっさんになってしまわぬように気をつけよう、などと婚姻届を出した帰り道に心に誓ったのであった。


姓が変わったら某ジャズシンガーさんと同姓同名になってしまいました。
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2011年08月24日(水) 12:11 by まり [ Edit ]

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